jasminicのイタリアコロナ日記

ミラノ在住31年目に突入。突然の失業、隔離生活

ピエモンテ州のとある町の看護師さんからの手紙

今朝起きて友人のFBの投稿にピエモンテ州のとある小さな町の市長さんにとある看護師さんが書いた手紙の記事があった。(それを市長さんが自分のFBに投稿)

医療現場の惨状、そして死を目の前にした患者さんに何も治療ができない自分たちの無力さなどが書かれていた。実際に彼らは身を粉にして働いているのだ。

「もう何日も食事をしていない、余命いくばくもない、糖尿病疾患を持つ患者さんが朝ごはんにジャムをつけたラスクを食べたいと懇願したとき、私は同僚にそれを持ってこさせるように言った。」

 

コロナ感染者とは面会ができない。この女性自分の最期をわかっていて、4人の子供たちに会いたいと切願していたけれども、決して許可は出ない。彼女は、若くして夫に先立たれ、女手一つで四人の子供を育てあげたので皆ママっこなのよ、私を看取ることができないと皆が嘆き悲しんでいるのよと泣きじゃくった。看護師さんはこの女性(彼女はガラケーだったらしいので)の息子から電話が来たときに、十分に防護した状態で4人で集まって(集会は一応禁止なので・・・)、自分のスマホにテレビ電話するように言った。すぐに出られなくても何度も試してみてと。患者さんにとっては大きなサプライズ!テレビ電話で4人の子供たちに会えて、愛の言葉を交互に交し合った。30分ほど通話は続いたと言う。「彼女は子供たちに会うためだけ、最期のお別れを言うためだけになんとかここまで命を永らえてきたんだから。胸が張り裂けそうだった」と看護師の言葉。

お礼を言って息を引き取った患者さん・・・。

家に帰ってFBを覗くと、あちこち文句ばかり。自由を奪われたとか、小さな子供が公園に行けないとか、犬を家から遠いところに散歩させすぎだとか、イーストが見つからないとか。どれほどの無知、そしてどれほどのどうでもいい悩みを人々は持っていることだろう。でも私たちはまだまだあることで幸運だ。行動が限られ、犠牲を腹わなければいけないけれども尊厳が残っている。それはたとえ貴方がどんなに文句を言おうが容赦なくCovid-19が貴方から奪うことができる権利です。

・・・と彼女の手紙に絶句してしまった。

感染症患者を看取ることはできない。

思わず、うちの母に電話してくれぐれも気をつけるように懇願。

それにしても、患者さんの死は職業上もちろん何度も目の前にしているとは言え、この惨状では、医療関係者たちの心のケアが必要となってくるのではないかしら???

そしてこの看護師さんの暖かい心に胸が熱くなり、涙が止まらなくなってしまった。

お母さん、子供たちとテレビ電話で話すことができて良かった!!

こんなことが毎日何千件と起きているんだな・・・。