暗闇の中の光ーファルコーネ判事暗殺から28年
今日はファルコーネ判事の命日だった。
その生涯をマフィアと戦い続け、マフィアに同じく判事の妻と共に暗殺された英雄、ジョヴァンニ・ファルコーネの命日。
1992年5月23日。カパーチの虐殺は衝撃的だった。
私はイタリアに来てまだ数年だったので、こんな映画みたいなことが本当に怒るんだな、そしてシチリア=マフィアの怖い国、と言う強烈なイメージを持ってしまった。
当時生けるコルレオーニと言われていたマフィアの大ボスのトト・リイナ(ちなみに子ルレオーニ村生まれ)が首謀者だったとされてれる。お祝いに乾杯したそう・・・。
そして二ヵ月後には彼と共にマフィアと戦ってきた友人で同僚のパオロ・ボルセッリーノ判事まで爆弾で(警護の5人の警官と共に・・・)暗殺されたものだから、
なんて恐ろしい無法地帯!
と震え上がった記憶がある。
マフィアって、マフィアって映画の世界の話なんじゃないのっ?!
と当時の無知な私は思ってしまったのですが、映画(と言うか、オリジナルは本か)がマフィアをテーマに取り上げただけで、マフィアは断然実在するものだったのだー。
しかしそれ以上に、今と違ってマフィアの力が強大だったあの頃に命を賭けて戦ったこの二人の気高い魂と勇気には畏敬の念を抱いたものだ。
命がけで貫く信念。
ボルセッリーノの家族は国葬を拒否。プライベート葬で、妻は政治家の出席を拒否。政府が夫に十分な警護をつけなかったと抗議していた。
お葬式にはパレルモ市民1万人が出席し、結局政治家は当時のスカルファノ大統領と数人の出席となった。
しかし、民衆の怒りが高まり、マフィア撲滅の活動は活発となり、翌年1993年には前述の大ボスのサルヴァトーレ・リイナがなんと逮捕!
当時のコーザ・ノストラの中で最も権力があり、危険で残虐と言われたマフィアは身長158センチの小柄なおっちゃんだった・・・(見かけはね)。
結構長生き2017年87歳で没。
彼は1992年まで20年に渡ってイタリアの、限りなく黒い首相だったジュリオ・アンドレオッティとずぶずぶだったし。(そんな時代)
イル・ペンティートと呼ばれる、元マフィアの改心者たちの証言も色々あり、裁判が行われたけれども、結局罪には問われなかった。
刑務所に入らず、94歳まで生きて2013年没。
それを考えると時代の流れを感じる。(自分が古い時代に属する人間だってことも)
私がイタリアに来た当時は、このマフィアのボスみたいなのが首相だったんですよ~~
シチリア人たち、いや、全イタリア人たちはこの勇気ある二人の判事の死を決して忘れない。
今年はコロナ下で集会は無理だけど。
シチリア、パレルモのプンタライジ空港には、今二人の名前がついていて、ファルコーネとボルセッリーノ空港と呼ばれている・・・。
だから、私はこの空港に行くたびに、彼らに思いを馳せるのだ。
ファルコーネとボルセッリーノ空港^^
↑ホテルの朝食レストランにあったシチリアのカンノーロ^^
私は甘いのがNGなので食べなかったけど・・・
一応シチリアを代表とするスイーツ。
ホテルのガーデンからの景色。
ウチワサボテンがシチリアっぽいです^^
あー、シチリア行きたいです。ビーチ行きたい。
何度もアップしちゃう、ファビニャーナ島↑
今年こそは行こうと思ってたんですが・・・
コロナに阻まれてしまいました。
どうか、一刻も早くコロナがどこかへ行って帰ってきませんように・・・